かずのひとりごと

日本について、世の中について、私の生き方について、考えたことを書きます。

日本人がオバマ大統領の広島訪問に謝罪を求めないのはなぜなのか。

オバマ大統領が広島を訪問するにあたり、あの戦争の原爆投下について謝罪がなされるかが注目されています。現時点では「核廃絶に向けた道義的責任」の言及まではあるのではないかと見られます。

●この問題についてネットでは「別に謝罪までは求めていない」という意見が大勢です。理由としては「戦争を終わらせるために必要だった」「韓国のようにいつまでも過去を持ち出すようなことはしない」「立場上、謝罪はできないだろうから、とにかく訪問して核廃絶への大きな一歩にしてほしい」などのようです。

● Japan Times によると、日本人は世界で一番、アメリカ人よりも、オバマ大統領の謝罪が必要という人が少ないようです。

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●皆さんはこの結果を見て、どうお感じになるでしょうか?

 私は、謝罪は必要ないという人たちのお気持ちも重く受け止めたいと思うのですが、その上でどうしても、本当にそれでいいのかという疑問を拭えないのです。極少数派であることを承知で、敢えて異を唱えたいのです。

●戦争を終わらせるためだったと言いますが、何の罪もない民間人であり、非戦闘員である高齢者、女性、子供、赤ん坊に対する、甚だしく残虐な大量殺戮は、紛れもない戦争犯罪であり、人類史上最悪とも言われる出来事でした。長崎にまで投下したのは、核兵器が人体に与える影響の実験のためであったと見られています。

●独立総合研究所社長で、安全保障の専門家である青山繁晴さんは、オバマ大統領の謝罪なき広島訪問は偽善の上塗りになると警告しています。核廃絶の演説でノーベル平和賞を受賞していながら、実際は「核軍縮」で合理的核利用に向かっているオバマ大統領。謝罪のない広島訪問が実現すれば、アメリカ国内で「日本は原爆投下を受け入れている。あれは必要悪だった」との刷り込みが決定的になってしまうと訴えています。落としどころとして「被爆者と直接会って、道義的責任に言及してもらうべき」と述べています。

●日本は、原爆により壊滅的な打撃を被って以来、「骨抜き」にされてしまってはいないでしょうか。謝罪を求めないという理屈はわかります。しかし、私はやるせない感情を禁じ得ません。

●学校の歴史の授業では、近現代史をほとんど教えられません。私も中学生の時、縄文土器は勉強した記憶があるのに、あの戦争をきちんと勉強した記憶がありません。この教育の現状は絶対に変えなければなりません。いろんな意見があっていいのです。ただ、あの戦争について、一人一人がしっかり学んで、考えなければなりません。