かずのひとりごと

日本について、世の中について、私の生き方について、考えたことを書きます。

AKB48総選挙に思う、「結果至上主義」の功罪

▼そう言えば今日は、AKB48総選挙の日だったのですね。毎年、当日になって気づくような感じなのですが、結構な盛り上がりぶりについ、誰が何位なのかな?と注目してしまいます。とは言え、最近はもう上位の顔ぶれもほとんど知らない人ばかりになってしまいましたが。

▼いろいろと批判の声も多々ありますが、やり方はどうあれ「売上げ」というアーティストの重要な評価基準となる指標で爆発的な数字を叩き出し、数々の記録を塗りかえて日本の音楽(J-POP)史に残るグループになるという「結果を出した」事実は、私は素直に、是々非々で評価したいと思います。

 48人もの少女をアイドルグループとして打ち出すという発想は、もしかしたら世界で初めてだったのではないでしょうか。「会いに行けるアイドル」をコンセプトに劇場型の演出をしたり、選挙制度を導入したりという数々の斬新な発想に、これまでアイドルに興味がなかった人までが取り込まれ、熱狂するまでになりました。今になってみればなるほどうまくやったもんだと思いますが、「誰もやらなかったことを初めてやった」ことの意義、功績は、評価されて然るべきだと思います。今やどこかのお国も、例によって同じ手法を真似ているとか、いないとか。

 「オタクの下心を刺激するアイドルに過ぎず、音楽は評価できない」という声が聞かれますが、大多数の心を捉えるメロディは魅力的で、私は素直に、単純に楽しめています。

 「結果を出す」ということが、どれほど大変なことか。私の周囲にライブに行った人がいたのですが、「ライブに行くと見方が断然変わる」とのことです。すぐ目の前で、少女たちが歌って踊る躍動感、迫力というのは相当なものらしく。私を含め外野からはどうとでも言えますが、実際に努力して、貪欲に結果を追い求めて夢を実現する姿からは、私も見習わなければならないと感じる次第です。

▼一方で「投票目当てでCDを買わせるのは卑怯で、記録に値しない」という批判に、共感できる部分もあります。

 また「少女を商売道具にしている」という批判については、真剣に考えなければならない問題です。まだ幼さの残る少女たちが、大人の都合で醜い欲望に翻弄され、酷使され、心身ともに押し潰されて涙を流す。その涙までが映画でドラマティックに扱われ、ここまでやらせるのはおかしいのではないか、という疑問が拭えません。本人たちが覚悟して入ったのだとはいえ、10代の少女にはあまりにも重圧が大きすぎる。握手会などでファンとの間の緊密化が行き過ぎた結果、昨年はメンバーがのこぎりで襲撃されるという、あってはならない事件まで発生しました。運営する側も、消費者側も、少女たちを守る大人としての責任が問われます。

▼それにしても、AKBの総選挙は「ああ、今年もこの季節が来たか」となんだか風物詩のようにもなってきましたね。少女たちの「紛れもない本気」は、いつになっても、やはり多くの人の目を惹き付けてやまないものなのだと思います。どんな結果であれ、少女たち一人一人が幸せなアイドル人生を送れることを願いながら、私も遠巻きに眺めて楽しみたいと思います。