かずのひとりごと

日本について、世の中について、私の生き方について、考えたことを書きます。

除夜の鐘がうるさい? 昨今巷で多発する騒音問題について。

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▼今年も気づけば残すところあとわずか。年末の夜というのは、しんと静まるような寒さの中にどこか神聖で厳粛な空気が漂い、神妙な気持ちになるものです。

 日本人の精神は、四季を通して研ぎ澄まされ、情緒豊かに育まれてきました。あぁ、日本に生まれてよかった…。

▼そんな感傷に浸る私に、見事な顔面パンチをくらわしたニュースがこれですよ…。

news.careerconnection.jp

 世知辛い世の中になったものだと、なんとも残念な、いたたまれない気持ちになります。というか、何かがおかしい。絶対に間違ってると思う。私はこのニュースには、一見何気ないようでいて大きな危機が潜んでいるような気がするのです。

▼まず第一に危惧するのは、今の日本で「公の精神」が失われてきているのではないかということ。最近、保育園の「子供の声がうるさい」という苦情も増えているとのことですが、いかがなものか。私の自宅の近くにも病院と消防署があり、夜間にもしょっちゅう救急車や消防車のサイレンが鳴り響きます。しかし病院も消防署も社会になくてはならないものなので、公を思い、個人としての主張をそっと胸の奥に閉じ込め、受容しなければなりません。

 突然、近隣に保育園が新設されるという方々にとっては大変に深刻な問題でしょう。近年、待機児童が急増している影響もあると思います。しかし、話し合いが重ねられ、防音壁などの対策が提案されてもなかなか合意に至らず、各地で建設中止・延期が相次いでいるというニュースを聞くと、日本社会で「個の精神」が肥大しつつあるのではないかと憂慮せずにいられません。

▼「除夜の鐘は必要なのか」という疑問の声も上がってくるかと思います。そこで私が第二に懸念するのが、日本において「信仰の精神」が疎かになりつつあるのではないかということ。除夜の鐘というのは、人に百八つある煩悩を祓うために百八回、撞かれるそうです。このように、寺院で執り行われる儀式というのは、神への祈りです。それにとどまらず、日本で古来から脈々と受け継がれてきている数々の伝統行事の儀式の根底には、神への祈りが込められています。

 私は、人智を超えた絶対的な存在を思い、畏敬の念を抱く感情は、人間にとってなくてはならないものだと思うのです。こんな小難しい理屈を語らなくても、子どもの頃からそれが当たり前で、自然であることがとても大切だと思うのです。

▼当事者でない人間には何とでも言える、と言われてしまえばそれまでですが。私自身も、公を思い、祈ることを大切にできる人間を目指していきたいものです。